総太郎は间合いを诘めてゆく。リーチでは自分が有利ではあるのだが、それを活かした戦いかたはもう脚が杀されているのでできない。危険でも接近していくしかないのだ。
「おおっ!」
かえでの隙を生み出すための突きを缲り出す。全力でありつつも、その后の展开を见据えた突きだ。
しかし、かえでもその狙い理解しているのか、総太郎の攻撃に対してカウンターを仕挂けてこようとはしない。まともに付き合わず、総太郎の攻撃が途切れたところに踏み込んで蹴りを缲り出してくる。
「せいっ!」
ビシッ!
「うぐっ」
ローキックがまともにヒットし、ただでさえ踏ん张りのきかなかった総太郎の右足がかくんと崩れる。
そこに、かえでは蹴り足を完全に戻さないようにして连続で中段蹴りを放ってくる。
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ドスッ!
「くっ、このっ!」
総太郎は左の突きを打って反撃するも、踏ん张りのきいていない状态のパンチなど通用するはずもなく、かえでは凉しい顔でそれを手のひらで弾いてしまう。
「ふっ!」
総太郎の体が流れたとみて鋭いハイキック。再びかえでのスカートがめくれ上がり、下着があらわになる。
直撃すればさすがに终わりだ。総太郎はとっさに上体をそらすようにしながら后ろに倒れ、一回転して起き上がった。立ち上がりながらしっかりと腰を落とし、威力のある突きを打てる体势を整えるが――そこにはかえでは无理に攻めてこなかった。
「お兄ちゃんが近づかなければならないのは分かってる。それなら私としては距离を取ってヒットアンドアウェイしてればいいだけだね」
「く……」
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「普段ならともかく、今はわたしのほうが素早く动けるんだし」
恐ろしいほどに冷静な戦い方。こんなものを、いつかえでは身につけたのだろうか。今の彼女には総太郎と真っ向胜负を楽しんでいたときの面影はない。
「悪く思わないでね。本当に胜てるって手応えが出てきたからには、このチャンスは絶対に逃したくないから」
こういう戦い方をするかえでは総太郎は相手をしたことがない。こういう状况ならば総太郎もかえでが知らないものを见せるのがいいのだが、刹涡柳影倒舞はもうフットワークが死んでいる以上使えず、结果、かえでが知っている顷の技ばかりで戦わねばならない状态だ。
ダメージの问题だけでなく、そもそも不利な要素が多すぎる状况だった。
(これは参ったぜ、胜つための糸口が见つからない。でも、こういう状况を乗り越えた回数だけは、俺の方が上のはずだ)
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